パピヨン
りつ

夢の
蝶が飛ぶ
ひらひらと風に揺られて
悲しいことを
忘れる鱗粉を撒く

夢の蝶が飛ぶ
ふわりひわりと
懐かしいあのひとの
笑顔を思い出す
ひかりの中で
わたしたちは
踊ってる
笑ってる

夢の蝶は見せる
喪った日々が
どんなに愛しく
大切なものだったのか
ありありと

そして私を眠らせる
もう泣くまいと
想っていても
夢の中なら
泣いても良いのだと


自由詩 パピヨン Copyright りつ 2025-10-11 04:48:37
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