煙る雨
りつ

雨に濡れた道をさ迷いながら
私たちは
雨宿る場所を探さなかった
少し冷たい10月の雨は
火照ったこころを心地好く冷ましてくれた

越えてはいけない一線がある

私たちは同じ曲を小さくハミングしながら
決して触れ合うことはない
と知っている少し傷ついた目で
雨に濡れ続けた


自由詩 煙る雨 Copyright りつ 2025-10-03 21:54:52
notebook Home