ステラ・アルピナ
みぎめ ひだりめ

喉が静かに萎れてる
瞼がおもたく透けている
わたしは岩背を踏みしめて
裾野の灯りに目を凝らす
冷たいあなたの肌を撫で
しなだれながら 咲いている

わたしの毛皮は月光を
打ち据え輝くものだから
冷たさだけが先立って
痛みになってしまうから
ちいさくやさしく縮こまり
あなたの瞳を見つめてる

あわく明るく青白く
あなたの肌は透いている
爪牙が命を裂かぬよう
わたしはあなたをなぐさめて
ちいさくやさしく息をして
輝くままに咲いている


自由詩 ステラ・アルピナ Copyright みぎめ ひだりめ 2025-09-29 07:15:49
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