ゆりかごから墓場まで
シアン

メキシコでUFO発見されし日に生まれた子らが今日成人す

制服で歩くふたりにもう僕はなれない春に煙草をふかす

「やり残しリスト」を胸に掲げつつあと一年は生きんと思う

目覚めると言葉と意味が出鱈目で教えてあげる「これは瞬き」

恋人とキスするシーンの本番で「台詞がくさい」と笑い出す君

春風にレースのカーテン揺れるとき映画のようで僕は吹き出す

しんしんと聞こえるはずのない音を聞いた気がして夜中目覚める

朝7時NHKのキャスターの胸のところに象が三頭

弓引きて半月のごと撓るとき風にも色がある事を知る


短歌 ゆりかごから墓場まで Copyright シアン 2005-06-01 22:41:59
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