Risky (ホロウ・シカエルボクさんよりインスパイア)
りつ
糖尿病のやつが俺に言った。
「好きなもんを我慢して長生きするより、食べたいもんを食べたいだけ食べて、早死にする方が良い」
ごもっともだと俺は笑った。考えたことがあるかい?何のための長生きで、何のための生命の使い方なのか?と。
俺がもし、1万年生きてもこの活力が失せないならば、俺は生きてみたい。もしも、1万年生きても、生きてる実感が生々しくて、失せることがないのなら、俺は生き続けてやるさ。
ただ、俺は長生きしても録でもないことをやりそうなんだ。山を燃やしつくして、再生するのにどれくらいかかるのかとか、川に大量の毒をぶちまけたら、どれくらい死んでどんな影響が出てどれくらいで正常になるのか、とか、地球規模での壮大な実験を始めてしまいそうなのさ。
もちろん、やらないぜ?罪は罪として捕まっちまって、1万年の余生は牢獄暮らしなんざ、下らねえにも程がある。何回目の脱獄で牢獄とオサラバできるかくらいの、細やかな楽しみしかない。
いや、逆にそれは願ってもない環境なのかもしれない。詩だけと向き合い、何処まで詩になれるのか、何処まで詩を純化できるのか、どこまでも、詩、詩、詩だ。
そうさ。俺は長生きしたいかどうかじゃない。俺は俺の詩に向き合い、俺を完全燃焼させたいだけなんだ。
俺は何処まで飛んでいけるんだろな。俺自身も楽しみだ。