髭を剃ろうと思う
山人
十日ぶりに髭を剃ろうと思う
再び、のっぺりとした顔が現れるのだが
秋のイネ科の、メヒシバが生い茂ったような
このむしゃくしゃ感が鬱陶しくなった
そもそも髭を剃る習慣はなく
部屋が散らかると片づけたくなるという風に
多少小綺麗になりたくなるものである
まるで貧乏神のような貧相な顔立ちが
若返り、青年になる
はずはなく
未だわけもわからず
ただ鳴き続けるミンミンゼミをしり目に
明日からまたカナシミの月曜が始まるのかと
鏡の前に立つ
自由詩
髭を剃ろうと思う
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山人
2025-09-21 06:22:03
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