有形の不在
こしごえ
雨
降るのかしら。
今
先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる
内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
廻る
こんなにも
形ある
わたしはまだまだ崩れそうになくて
眩暈の熱に接続された
冷めてゆく
日陰の放射していく憂鬱に
焦れてし まう
ふと
庭に埋まっている
猫の姿を思い出した
幾千夜の
夏を過ぎたのか
その上に咲いていた花
が薫る
訳 も無く涙するのを問い詰めたりしないで
と
丸い果実にくちづけする
お腹が鳴った
在るのよ(。)
朝
ぽっと降って 来た