○備忘のことⅰ(倫理)
許すことのできる人は
許される熱をもつ人
それはまるで
書く術を知る人が
熟読を心得ているかのよう
○備忘のことⅱ(微熱にて)
上顎が痛痒くなる
くゆる煙は遠巻きに
微熱は
熱砂のようにしのび寄る
わたしは
なにかの中腹に立ち
わたしの
瀬戸際を眺める
0919 yasumemaiyo iya yasumunomo mendo
樹となり
馬を殖やし
砂洲として
川を瞥見し
…
そうなのだ
わたしはそんなとき
全員へ謝りたくなる身勝手すら
ほのぼのと自分へ赦す
(おまえの出自は仏壇の小抽斗の中)
ほんのりと灯ったように
凧のように
溢れたサイダーのように
わたしは
心細くなる
○備忘のことⅲ(死への雑感)
おさまりきらないどかどかしたのやらグワッとあがって鉄の味とともに真っ暗になるのやらヒヤッとしたらすっと赤くなるのやら
そういうの
そういうのがこういうもんなんだと
いえたところで
いえたところで
そのとおりそれはそういうもので
そうとしかそうあれないそういうものなんだから
やっぱりあやうい