ひとつの終わり
りつ
あんたがあの娘の詩才に惚れたから恋したのは知ってる
あんたが惚れる(口説く、恋する)のは、詩才のある娘ばかりだからだ
そのくせあんたは愛まで欲しいと云う
もう真っ平だね
あんたがどんな娘を抱こうが嫉妬しなかった
だけど、
震えながら望んだたったひとつの希望さえ
砕け散った
私だって、
恋しいひとがいた
あんたを孤独の闇に沈めたくなくて
あんたのこころをひとりぼっちにしたくなくて
尊い恋を
諦めた
だけどもういい
もういいんだよ
二度とあんたにこころは開かない
呪うなら
あんたの下らないプライドを呪え
(私は私の献身を呪う)
人間が人間に惚れるってことをあんたは知らない
私は私の恋を
大切にする
叶わなくても