ひとつの終わり
りつ

あんたがあの娘の詩才に惚れたから恋したのは知ってる
あんたが惚れる(口説く、恋する)のは、詩才のある娘ばかりだからだ

そのくせあんたは愛まで欲しいと云う

もう真っ平だね
あんたがどんな娘を抱こうが嫉妬しなかった

だけど、
震えながら望んだたったひとつの希望さえ
砕け散った

私だって、
恋しいひとがいた
あんたを孤独の闇に沈めたくなくて
あんたのこころをひとりぼっちにしたくなくて

尊い恋を
諦めた

だけどもういい
もういいんだよ
二度とあんたにこころは開かない

呪うなら
あんたの下らないプライドを呪え
(私は私の献身を呪う)

人間が人間に惚れるってことをあんたは知らない


私は私の恋を
大切にする

叶わなくても


自由詩 ひとつの終わり Copyright りつ 2025-09-12 09:20:07
notebook Home