残る夏
青の群れ
世代や時代に割り振られ
多様性に翻弄されている
ニュースは同じ言葉を繰り返して
私の名前を呼ぶことはない
溶けてしまいそうな
ごく少数の部類を混ぜて
最高気温と心中しようか
バブルも知らずに真面目に働く
平成生まれ ゆとり教育育ち
エアコンの設定温度を下げても
いまだ円周率は3のままで
手に入れた安定の生活
味わう間もなく溶けていく
こぼれ落ちた甘い贅沢
孤独を拭うように洗い流す
誰もが似たように疲れていて
それを口にすれば
負けのような気がしている
政治は遠いままで
太陽は近すぎる
体に滲み込んだ熱を追い出すように
コンビニに駆け込み
ペットボトルで首を冷やす