残る夏
青の群れ

世代や時代に割り振られ
多様性に翻弄されている
ニュースは同じ言葉を繰り返して
私の名前を呼ぶことはない

溶けてしまいそうな
ごく少数の部類を混ぜて
最高気温と心中しようか

バブルも知らずに真面目に働く
平成生まれ ゆとり教育育ち
エアコンの設定温度を下げても
いまだ円周率は3のままで

手に入れた安定の生活
味わう間もなく溶けていく
こぼれ落ちた甘い贅沢
孤独を拭うように洗い流す

誰もが似たように疲れていて
それを口にすれば
負けのような気がしている

政治は遠いままで
太陽は近すぎる
体に滲み込んだ熱を追い出すように
コンビニに駆け込み
ペットボトルで首を冷やす


自由詩 残る夏 Copyright 青の群れ 2025-09-03 22:23:15
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