石鹸の匂いのする、八月の
ねことら
ドラッグストアでペプシゼロとヨーグルトを買った。
夜の店内は空調が効いていて、白っぽくて、乾いている。
手をつないだ恋人たち、メガネを掛けた会社員、綺麗な身なりの女の人。
みんな等間隔で回遊している。
水族館の魚のように、それぞれの速度と色で揺れている。
空気と水の泡。グラノーラ、コンディショナーもまだあったかな。
石鹸の匂いのする八月と、まだ名前のない夜の、どこにもいない僕と、どこかにいる君の記憶のこと。
自由詩
石鹸の匂いのする、八月の
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ねことら
2025-08-31 20:50:59
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