夏の鮮度
本田憲嵩

数日前に茹でてタッパーに詰め込んだ、冷たいそうめんをとりだして食す。もうだいぶ硬くなっているほそい面、たいぶ新鮮味のなくなっている細かく刻んだネギ、ふにやふにゃの刻み海苔、氷を入れてかなり味のうすくなっためんつゆが、この終わりかけている夏になんとなくさびしく重ねってくる。味わい。ふいに秋の風に風鈴のなる音がする。



自由詩 夏の鮮度 Copyright 本田憲嵩 2025-08-27 23:42:35
notebook Home