メモ(夏について)
はるな
夏を通り越すとき、むすめの背が伸びる。目線がもうほとんど同じになった。靴のサイズも。手のひらはまだわずかにわたしのほうが大きい。平板だった身体は迷いながら造形されていく粘土細工のように、昨日よりもきょう、おうとつを得ていく。
それでも夜はわたしにからみついて眠る。まま、はながままを守るよー。ままが花を守ってね。ながいきして。百歳まで生きてねー。
わたしの思惑はとうにすり抜けて、優しく甘く育っていく。夢みたいに良いもの。偶然出会った宝物。決して自分のものではない、でもとても近い、手足、髪の毛、思考と価値。夢みたいに良いもの。わたしは今またとても毎日眠くなって、朦朧としながら、日々を経ている。