黒い指
秋葉竹
星の間を渡る技術を
AIに教えてもらう悲しみ
文明を破壊する知識を持ったAIの
実験のためにだけ巻き戻される
人類の未来
繰り返されるダブルクロス
変えられない指先に込められた
運命の解読
なんらかの答えを
積み重ねて愛せるだろうかAIを
そして愛に
真実の合格はあるのだろうか
それともそのみすぼらしさに
悲しみさえも拒否されるのだろうか
人類はAIをうみだし
詳細な知識を手に入れたのだが
それは何処かの情報でしかなく
常識を部分的に観測しているだけだ
そしてだが
まるで自然を滅ぼせる原子力に
夜の灯火を与えてもらい
それを手放せないままに
なすすべもないように
まるで人類を救うフリをするAIに
ひとびとはそれを嘘と知りながら
手放せないままに
なすすべもなくなるのだろうか
まるで
悲しみを拭えない黒い指のように