帰る場所
唐草フウ
毎夏見る帰省のニュース
しっかりと時間を費やす 家族たち
それを眺めることが毎年の行事
思い出すのは病室の洗面台や
トラバーチン模様の天井
となりの家から夕ご飯の匂い
てんてんと置き手紙
帰る家はもうない
時はわたしを残して超えてしまった
ほうずきや千日紅などの花を供え
しゃがんで手を合わす
遥か上空にエアプレイン
皆が手を振ってたらいいな
わたしが家に帰るまで あと少し
(じぶん自身が誰かの帰る場所になれるだろうか)
自由詩
帰る場所
Copyright
唐草フウ
2025-08-14 21:21:48