善く書けている
杉原詠二(黒髪)
詩の評価
かなり良く書けてますね
ええそうですか
ありがとうございます
そんな会話が
良く書けていると言えるためには
傷がないことが必要だ
完璧が望ましい
森のこんもりとした様子
草原を走る風
強い海風の砂浜
太陽照りつける砂漠
これらはみんな
詩の言葉
詩によって完全な世界ができる
それを楽しむのが詩
よく書きましょう
心眼
慧眼
法眼
仏眼が
開けるように
書きましょう
詩で世界を見極めましょう
観音様のように
詩は喜びなのです
感情にあふれているのです
海に水が湛えられているように
詩には感情が湛えられているのです
詩で世界を変えましょう
エミリー・ディキンソンが
己の感情と思考と目に映る世界を
言葉で綴って
世界を変えたように
みんなの望む詩を
泣いている人に
涙の理由を気づかせるために
そっと肩に手を置いて
語り掛けるような
愛の詩を
得々として
笑みながら
眠りにつきましょう
眠りの中でも世界は変わり続けている
朝起きたらまた詩を書きましょう
過去から未来に進んでいく世界は
詩の力でいかようにも変わりえます
善い詩だけが世界を変える
そして詩はいつでも詠まれる
従って詩の中の眠りに気づいたならば
詩は夢を広げるということも分かるでしょう
詩句が翼を広げる
詩の響きは
蝶の羽ばたきの音
詩のタッチは
鳥の羽のような軽さ
永遠を閉じ込めたダイヤモンド
悲しみを癒すために
詩を読みましょう
寝ても覚めても夢を見ている
眼に映る全てが詩を語っている
詩は夢であり
夢が詩なのですよ
夢をもたらすのが言葉
言葉が変えていく現実
子守歌の節々のような詩を聞くことで
どんな人も
ぐっすり眠れますように
夜は長くはない
朝から日が沈むまではとても長い
詩は長き夜を
夢の時間に変えてくれるのです
夢の時間
空のオルゴールがまわり続けています
祈りと涙と贖いと
苦しみと悲しみと喜びと
対置された詩句たちの歌声が
永遠相の宙の中に吸い込まれていき
星はいよいよ輝きを増します
歌われるべき歌が歌われ
詠まれるべき詩が詠まれ続ける
誰かが始めた祈りの遊び
弧を描いて星が降る
泣きながら愛を叫んだ人は
悲しみのオーロラを従えて
今日もけなげにおほしさまを守っている