官能性
杉原詠二(黒髪)

官能性に
熱を帯びる
わたしの肩

肺は膨らんでは鎮まり
心臓が鼓動を打つ
胸の中には熱い思いが
腹の底には全てに打ち克つ力が

わたしの中の官能性
愛する人に触ったら
すべての囚われから解放されるだろう

あまりにもわたしは思った
全身が愛で満ちている
この眼ですべてが見える
この身体にすべてが収まっている

一緒に行こうよ
彼岸まで
ここに在る川を渡ろう
手を携えて
光の中へ入っていこう

最後の鍵を持って
それでわたしの錠を開いて
あなたの錠を
わたしがこの鍵で開けるよ


自由詩 官能性 Copyright 杉原詠二(黒髪) 2025-08-08 20:57:23
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