モノからコトへ常套句
イオン

以上が当社の構造改革の概要です
モノ作りからコト作りの事業へと
変わっていくことになります

部長、いいですか?
モノ作りを安い海外の組立業者に任せて
それを使ったコト作りに注力するというのは
すでにアメリカで行われてますよね?
モノ作りしかできない技能者が失業して
コト作りができる技術者が不足しています
同じ轍を踏むだけではないのですか?

はいそうです、同じ轍を踏みます
当社のブランド力では
技術者が集まらないことは想定していますが
手探りではなくて前例を研究して手を打っていきます
何もしないと倒産しますが
何もしないよりはましだということです

部長、モノ作りの部署はどうなるのですか?

はい、コト作りには
サービスを提供する部門が必要ですので
そこに異動してもらいます
ただ、技術的な勉強が必要なので
全員という訳にはいかないと思っています

部長、知人の勤めるメーカーでは
同じようなことをしても受注が伸びずに
メ-カー業をやめて派遣業になったそうです
僕らも他社に派遣されてのコト作り
最終的にはそうなるのではないですか?

はい、派遣業になることも検討しましたが
メーカーとして看板を挙げている以上
やれることはやってからという事です

部長、コト作りのサービスは
信頼性のあるモノが前提です
モノ作りの過不足をコト作りで
補うようなことになったらお終いなので
モノ作りの人材は品質管理に投入すべきですよね?

はい、ごもっともですが補うしかありません
モノ作りの品質管理までする余裕はありません
それは組立業者の自主管理にお任せします
品質管理と品質問題のコストがほぼ同額でも
信用に差が生じることは解っています
なのでコト作りのサービスの中で補う
無償修理を考えています

部長、もう終わっているってことですね


自由詩 モノからコトへ常套句 Copyright イオン 2025-08-02 14:24:43
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