わたしはどうしていきてるの？

おんなのこがおかあさんにききます。

わたしはどうしてうまれたの？

おんなのこがおかあさんにききます。

おかあさんはゆうはんのよういをしています。

そうねえ、そうねえ

おかあさんはなべをのぞいてからひをよわめます。

どうして？

おんなのこはききます。

そうねえ、それはねえ

おかあさんはなべからあくをとったあとで

あじみをします。

ねえ、どうしてうまれたの？

そうねえ、おかあさんは

あなたにすごくあいたかったわ。

いのったのよ、あなたにぶじあえるように。

うれしかったわ、ほんとにあえたとき。

このよろこびはね、いっしょうつづくの。

おかあさんがおんなのこのほうをふりかえると

おんなのこはどおなつにむちゅうです。

いきるのにむちゅうです。

どおなつのあなからおかあさんとせかいをのぞいて

わらっています。

ほっぺにさとうがつきます。

そとはあかねいろにそまって

とてもきれいだけれど

おんなのこはなんだかきゅうにさみしくなって

どおなつのあなからみえるせかい、つまり

おかあさんのそばにいってから

ふりかえって

たべかけのどおなつをじいっとみます。

ほっぺにはさとうがついたままです。