独り言7.30
zenyama太郎

○「私の愛する旦那様」
出世もできず財も築けず
平凡な夫だけど
一生懸命に働いてきた
その働きに免じて
「私の愛する旦那様」
一度はそう呼ばれたい呼ばせたい
たとえお世辞でも

指輪も買わず新婚旅行にも行かず
わがまま夫だけど
浮気ひとつせずまじめに暮らしてきた
そのまじめさに免じて
「私の愛する旦那様」
一度はそう呼ばれたい呼ばせたい
あなたの口から直接に

今は無職無収のしがない身なれど
けなげに家事を手伝っている
そのけなげに免じて
「私の愛する旦那様」
一番はそう呼ばれたい呼ばせたい
今生の別れにあなたの真心で


自由詩 独り言7.30 Copyright zenyama太郎 2025-07-30 09:19:21
notebook Home