自我
りつ

真の孤独が
完全なる感覚と記憶の遮断状態に於いて、

自我だけが

デリートされずに機能するという状況に於いてのみ、

成し得るように

真の自由も

自我の抹消無くして
あり得ない。

の、かもしれない。

と思えば、

それは完全なる隷属と
どう相違するのか。


連綿と連なる遺伝子と
生じ出で
成体となるまでの庇護は
どれほど忌み嫌えども
他生体の助力無くして有り得ず、
いま此処に
あなたが、
わたしが、
ありとあらゆる生命、物質、非物質、現象、不可視不可触の超現象、
が、
存在するのは、

一見脈絡ないようでありながら、
密接に絡まる糾縄の如くにて、
けっして無関係では在り得ないのです。



つまり要約すれば、
『独りで大きくなったと思うな、馬鹿たれ』で、
『生んでくれ。
 育ててくれ。
 と、
 頼んだ覚えは無い』と言っても詮無きことで、

『いま存在している』


其れが全てなのです。





自由詩 自我 Copyright りつ 2025-07-29 06:16:55
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