休日の想い
ひだかたけし

「あなたの物質の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば霊に出会うから。
あなたの霊の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば神に出会うから」。

                   ──サン・マルタン



青々とした草木も
疾走する獅子も
飛翔する鷲も
横たわる牛も
結晶化する鉱物も
皆んな僕の中に居て
危うく均衡保ちながら
どうかすればどれか突出し
病となってバタンキュー

危うい日々の綱渡り 、

休日の都市のビルディング
白い壁面の照り返し見つめ
白い肌に増えた目許の小皺寄せ
溌剌と人混みの最中で笑う君
益々精悍な顔付きになって来たね
そう僕の顔を見入り耳許で囁いて
何がそんなに可笑しいのだろう

危うい日々をなんとなし鎮められ 、

帰宅時の郊外にふと立ち止まれば
街路樹の葉々の斜光浴び揺れ躍り
僕の想いも歩きつ同期し揺れ躍り
脳髄に足踏み鳴らし息衝くモノ
確と認める内なる宇宙ウゴメキ

君の知らん顔して他の事言ってとか
すれ違いは離れずいつものことずっと
苦笑い返すのは僕と云う魂の虹色の哀

想いの染まりめぐりいけば
蟻塚に頭を突っ込んで
小ネズミの群れひしめき
独り切りになったら又
一安心してバタンキュー

この灼熱沸騰の夏のもう常態に
休日一時の過ぎて陽の傾き消え、

優しい雨のごと時の散布され降り沈む今宵。










自由詩 休日の想い Copyright ひだかたけし 2025-07-26 18:46:49
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