進化論
りつ

昔、地球が372日だったころ
1日は21時間で
首長竜がのどかに樹を食んでいた
そのころ私は三葉虫で
上手に化石になる方法を考えていた

バレリーナはグラン・フェッテで地球を廻す

あなたはティラノサウルスだったのに
すっかり溶けてしまって
黒い油に蒼い狐火としてチロチロ燃えていた

あんなに安い煙草が好き。
だからあなたの歯は黒くなってた

怯まずにキスするわ!
魔法をかけて
蛙に戻すの
量子の歪みを治せないなら
未来永劫そのまま待っていれば良い

猛禽類の生贄は黒点を通過して
旋風
疾風怒濤
民の祈りに応えて我が身を往く
過ぎ行くものは連行菩薩の九字を結ぶ優美な手
その手に触れたくて

さよなら
また逢いましょう

ひとのかたちの私は
おそらの雲になりたいなぁ


自由詩 進化論 Copyright りつ 2025-07-24 20:05:48
notebook Home