老いさらばえて
花形新次
割れた鏡に映る
歪んだ顔の方が
むしろ自分らしいと
思うようになってしまった
LEDの蛍光灯が
いつまでもいつまでも
瞼の裏側に
忘れなければならない
汚れた記憶を焼き付けて
俺は今夜も眠ることが出来ない
明日が来るのが怖かった
そんな幼かった時間は
ずっと前に通り過ぎて
俺は割れた鏡を覗いて呟く
これ以上醜くなる前に
何とかしなければ
ならない、と
老いさらばえてまで
生き続けることに
何の意味があるのだろうか?
答えは誰にも分からない
自由詩
老いさらばえて
Copyright
花形新次
2025-07-23 23:35:13