悲しみを歌う歌
杉原詠二(黒髪)

悲しみに対して
歌う歌を
私はたくさん持っている

あの人の心が
それを歌って来たから
私の心が感応して
それを覚えた

あの人は
私の影響を受けているかしら
私を想ったり
したことがあるかしら

底の方が
自分でもよく気付かないものだ

するとそれなら
私達は
心の底で
通じ合っているかもしれない

私は無神経じゃないよ
あえてそうしてるだけ
私の心に忠実に
歌を歌っているだけ

その歌が
妙なる調べを奏でているなら
私はとても
嬉しいな

そりゃあ性格はお互いに違うさ
双子のように仲良くは出来ないかもしれない
でも私たちには愛があるだろう
それだからこそ何でも一緒に
苦難を乗り越えていくのじゃないのかい

そよ風がふくように
私たちの髪がなびく
この朝に鳥の声とともに
心は空へ向かって歌い出す
今まで感じたことのないような
テキストブックには載っていない
私たち自身の心を

いつかあなたと声を合わせて歌うとき
この世の美が私たちのものになる
六根清浄
永遠の美しさの中で
善に基づいた真実を
私たちの中で
愛として
確かめ合いましょう


自由詩 悲しみを歌う歌 Copyright 杉原詠二(黒髪) 2025-07-22 17:54:47
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