洗顔ス 、故に我を意識ス
ひだかたけし

朝に夕に顔を洗う。
丁寧に洗顔フォームで
頬骨から皮膚の感触
輪郭を辿りなぞりながら 
額から顎まで塗り込む如く
顔と云うもの洗いながら

己が存在を自ら実感し意識し

これが俺か、これが自分か、と
ちっと笑ってしまう滑稽さ抱えつ
これが俺だ、これが自分だ、と
朝に夕に顔を洗う。

私はこうしたカタチに担われ
生かされある日この世に誕生し
生かされある日この世を去りつ

朝に夕に太陽浴び月光浴び 、

 君の顔すら見入るのだ 

この顔で生まれて初めて対面し
君に見入られ君に魅入られ

改め新たに洗顔し自らの顔の輪郭辿りなぞり
この世に生まれてこそ 初めてこの私なのだと、

君の顔を見入り魅入られ君に見入られて。








自由詩 洗顔ス 、故に我を意識ス Copyright ひだかたけし 2025-07-16 19:58:47
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