冷たい雪の夜
黒髪
長い旅になった
疲れて
腰を下ろした
空からひらりひらり
悲しみに包まれた夜に
白い粉が降りかかる
旅人は永遠とつぶやいた
涙で眼が濡れている
不可能と思われた視界の中に
収まった無限が
私たちを祝する
白い息を吐いて
旅人は手で口を覆う
感激の涙が溢れ
嗚咽する
心がいっぱいになる
私たちの生きている世界は
何という美しさだ
星の光の
ゆらぎが
空をぼやかせる
空は確定しない
ものは高いところから低いところへ
でも空は下りてくることはない
ただ白い雪ばかりが降ってくる
雪の夜は
夜の黒と
雪の白
闇の中でも
雪は汚されない
自灯明法灯明
明かりが灯れば
雪の法が
私たちに語りかけてくる
永遠相を生き延びるとき
菩薩の微笑みが
私たちに届く
愛し合うならば
時は私を裏切らない
夢の涙に浮かんだ笹の葉に
心を乗せて
それを私は放す
執着を離れよ
無限の時に
いま心して
正面から向き合え
愛だけを抱いて
命の炎を
消さぬように
タマシイの輝きが増してくる
All around
This is forever