展/Q
あらい
海と陸を絶つ胎盤は漏斗の奥で
ひときわ高い山のいただきから見た
あなたはオリフィス
接続エラーの胞子
くさのね、ぬけがら
構造を拒みながら育っていた
klepsydra(クレプシドラ)は
一色を割って朝と夜の間に消えた
見上げるという行為は
劣化しない笑顔で
ひとつの石はくるりと変えてしぼんだ
ひかれない壁のようにふれていた
乾きかけた油膜にかさぶたとして
てのひらにあますことなく
のこってしまう
あの、誤差ではない、口を
閉じている風を見届けるために
マネしただけのこと
かたちを和え手飾り、きらめく
ゆびきりするかのように
とおくて。うわごとのように
お辞儀していた速度で
つめたいヒールのなかで
水ぶくれ とどかない耳へ
ちかく、また とおくなる
産毛を持続するかぎり鏡を必要としない
七秒後の落雷 沈黙がわらった気がした
∞がこたえる余白ごと頁をもたないからだ
すべてを待たず、すべてを放ちながら
まばたきして、すこしずつ、飛行機雲
ふくらはぎに似たしずくとして
けれど、何かが踊り
また踏みつけられて消え
焼かれて、煮えたぎる
死に方をさせることをゆるす
曇りガラスの群像に溶けあって
方位磁石からはみ出すかたい鳩が
折り鶴のようにかさなる指が
うつぶせになる床にふれることは
13℃の啼泣を占めしたときに
掴みようのない呼吸に絡みついてく
またね。
そんな φούσκα(フースカ)
”Kaleidoscope Love Letter
『LINE』”にのる。
10/9
「 thank you! 」