羽化
唐草フウ

るーるー、カチ・カチ・カチ・カチ・
うめくようにきつく、くぐもった、湿る声で許しを請う、どうして?、静夜のからくり、まだ内側を掴んで離せない、風が占める、時は鳴り続ける、果てる波と砕ける過去これまで

気づいて、いいえずっと気づいてた、本当のことだけを追うことはまぶしすぎるくらいなの、ちりぢりになって朦朧とする、内側を開けるおりがみから後れ毛一本残さず、ひろげて、ゆっくりと
自由になったファルセットの粒子が放散する

明けた空 ファインダー越し
あの夏、わたしはわたしをみおくった 













自由詩 羽化 Copyright 唐草フウ 2025-07-03 15:47:52
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