音色
栗栖真理亜

まともなことばはなく
実直さも感じられず
目立つことばかり考えて
逃げ道ばかり探している

詩に対する姿勢は常に不真面目で
紙の無駄というよりスペースの無駄
苦労して書いた他人の詩に対しては上から目線
のアドバイスで自分
が一番素晴らしい詩人であるかのように振る舞う
バツが悪くなると都合よく言い訳までして

乾いたことばの端が胸に張り付いて離れない
楽ではない苦を背負って

詩ではないならこんなに
悔しさすら感じないのに
なぜか激しく打ち鳴らされ
るわたしのなかの
音色


自由詩 音色 Copyright 栗栖真理亜 2025-06-30 01:57:04
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