黄金の鐘の音。
秋葉竹



夜空をみあげると
冷たい星たちが
ただ、運命に流されながら
瞬いている、

私はといえば
あいもかわらず、
からだに焼きついて
剥がせない
キツい憎しみを黙らせるのに
少し手こずっている

なにもわからないまま、
だれにも弱みはみせないまま、

星空に
巨大な宇宙船がこの街を覆うように
静止している、

それでなにかが始まる訳でもなく、
それがなにかを問うている訳でもなく、

あなたの帰る場所には、
幸せが
届いて
いますか?

最後のサヨウナラが
転がってるのを
探して
いますか?


もう一度、
夜空をみあげると
宇宙船は消え去っていて
三日月がうっすらと微笑んでいて、
まるで星たちを温かくしてあげようと
している
みたいだ、

黄金色の
けれども少し影のある想いを放って。


リンゴンと
ベルが鳴ってる気がするのは
きっと
想い違いじゃない

ギリギリの
幸福の
鐘の音。

リンゴン、リンゴン
リンゴン、リンゴン

少し離れた幸せの寝床の夢の中から聴こえる
黄金の
鐘の音。








自由詩 黄金の鐘の音。 Copyright 秋葉竹 2025-06-29 04:52:31
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