風に乗り 今を生きるのだ
こしごえ

そよ風で編まれた
風の言葉に
連れられて
私の耳は進んでゆく
行く先は分からないまま
雑音混じりに
聞こえる
ここから
静かに静止する
最後まで
たとえ無様な最期であっても
「ありがとう」とその時にも言いたい。

そよそよと
そよ風が
ぽつねんとした最後を通り過ぎてゆく
私を
私が
通り
過ぎて
ゆく
あとにのこるのは
風の言葉
そよそよと。

今日も
風は
吹きわたる
時にはそよそよと優しく
時にはびゅうびゅうと激しく
吹く風
私の命ある限り
風を聴いて
風に乗り
今を生きるのだ





 ※ 初出 2025.06.23 日本WEB詩人会


自由詩 風に乗り 今を生きるのだ Copyright こしごえ 2025-06-23 16:41:06
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