マツリアト
唐草フウ

(また降りそうになってきよった)



泥酔状態で唄う桜坂 音痴でふざけすぎるけど
黒いネクタイと白いワイシャツが いつもより艶っぽかった
「泣きそうになったわ」と あとで口にした
その笑顔が せつなくて

どうしてそんなに
そんなに頑張れる
誰かのために
水だらけの長靴を履いて

日がめくれて 朝の空は
すでに埃っぽくなって
千鳥足で 目は真っ赤に腫らして
それでもどこかで困ってたら放っておけないやつ

みんな楽に生きたい
子守歌で眠りたい
そのためにまた
雨の溢れる傘をさして



(また降りそうになっとる)










自由詩 マツリアト Copyright 唐草フウ 2025-06-21 16:47:03
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