因果関係と思い込み
黒髪

情報を得て、現実が進んだことを確認した気になる。
だが、そのすべてが本当にそうであると確信してはいけない。
私たちは、己の見込みと現実との関係を、ゆるがせにしてはならないのだから、
思い込みは思い上がりにすぎない。
私たちが本当に価値を持つこととは、少ないのだから、
その他の出来事と本当の価値は峻別しなければならない。
そうすることで、いい加減な生活が、真なる価値を包むものへと、
変わっていくと思うのだ。
過去の亡霊を成仏させて、杞憂に囚われていた、絶対のこだわりから
解放されねばならない。
それはつまり、他者的なものと自己的なものが、切り結ぶ接点を、
正しく寿ぐために、自己の余分な間違いを、直すことに他ならない。
それはつまり、因果関係と自己の理由のことなのだ。
自分の認知の歪みを、そのまま当てはめていては、真実に到達しない。
その程度の厳密さは、誰もが理解すべき事であろう。
真理への誠実な道を歩むため、因果関係を正しく知る。
それは、放埓なる己に課す、祝福のための険しき道のひとつだ。
是非の判断は人間性を試す。
自己の円環が正しく描かれたら、我々は損なわれることのないものとなる。
他者と自己の大花火大会が行われる日のことを夢見て。


自由詩 因果関係と思い込み Copyright 黒髪 2025-06-21 10:29:58
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