カウントダウン
りつ

彼の口からでる言葉は
美辞麗句ばかり
だけど
そこにもはや想いはなく
決して
一生懸命
真心から言うことはない

あれは
五回目に死んだときだった
「チッ!俺としたことがしくじったな」
遠くなる意識の中で
私は聴いた
(もちろん幻聴なのだろう)

「バイバイ」と
別れたときに
「クソアマ!」と、
(もちろんこれも幻聴だ)
怒声が追いかけてきた
初めて
私を憎悪しているのは
彼自身なのだと理解した

私にはさっぱり解らないのだ
いったい何故、憎悪するのか


だけど
もはやどうでも良いことだ
あなたを赦し


全てを
あなたにあげる


自由詩 カウントダウン Copyright りつ 2025-06-20 18:24:33
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