意識の境域
ひだかたけし
ぼろぼろほどけ
大地に還っていく
肉身を抱えつつ
後に何が私に残るか
夜陰の窪み問い掛けて
生動し沸々と滾る想い
来たる沸騰夏の熱先取りし
静かさの巨大な奥行き
更け入る夜陰の窪みに
更に大きな巨きな穴穿ち
この世に踏み留まり在る
己と云う者の意識の輪郭
くっきり当て嵌め埋め込み、
拡がる廃墟の街並み
薄っすら奥行き保ち現れつ
次第にゆったり曲がりくねり
緩やかに傾斜し続く
眩しく輝く光帯の狭き山道
右側に漆黒の微細凹凸の岩肌
左側の谷間へすっぱり切れ落ち
伸びゆく伸びゆく何処迄も
者の意識の落ち着き払い
果て無き想いに充たされ
生く逝く生きて
やがて活き活き
意識の変容する限り
過去を背負い今に担われ
*
ぼろぼろほどけ
大地に還っていく
肉身を抱えつつ
抱えるが故に
自分自身を
初めて意識化し
夜な夜な途絶え消えて
尚も最期に何が残るか
夜陰に息する何か当然の如く問い、
自らの力で達すれば達した限りにて
育つ自らの魂意志の見出すものをと
進む時に覆い被さり 、
包み込み沈み込んでいく
静かさに囁き応え響く死の声の