under the rose
塔野夏子
私たちが逢う処には
いつも薔薇の天蓋
時にその薔薇は清浄の白
時に夢幻の淡紅
あるいは情熱の深紅
あるいは此の世には無いはずの至高の青
深淵の漆黒
いずれにせよ其処には
甘い薫り立ち籠め
けれど棘の痛みも星のように
きらめいてしまうのだった
そして いずれにせよ私たちは
薔薇の天蓋に匿われなければ
逢うことは叶わないのだった
under the rose 「秘密に」を意味する熟語
自由詩
under the rose
Copyright
塔野夏子
2025-06-15 10:09:10