晴れて満月
秋葉竹
細かい風が吹いて
開け放った窓から
レースのカーテンをすり抜けて来る
異次元へゆけるかどうかは
内緒の話だけれど
そうだね
みあげる満月が
異世界なのなら
星の階段を昇れば辿り着くだろう
まず
お風呂に入って
体も心も綺麗にして
どれほど磨けば月へゆけるのかは
知らないままでも
いい音を聴きながらそのときを待つ
さまざまなたくさんの種類の
夢がキラキラと煌めくまるで
散る桜が停止した時間のように
在るべき星座のことも無視して
気まぐれに夜空に散らばる夢たち
今夜は晴れて良かった満月と桜の夜