まほろば──入梅、夏はじめ
ひだかたけし
ぽつん ぽつん
また ぽつん
雨だれ一滴、また一滴
通り過ぎるもの、落ち響き
消え入りながら終わること無く
響き落とし増幅し
皆々方と外れ重なり
すっと音信絶える
かと想いきや 、
ぽっと周縁から現れ出て
或るもの、在らんとして
新たな装い意味帯びて
慎ましやかにも眩しい輝き放ち
続いていく時のなにひとつ同じこと無しと
遺体の只々棺に収まり
その狭き囲いから
解き放たれる君の魂 、
続きくりかへし増幅され返され
益々この世祝福する霊性担い
濡れそぼつ涙に新たな熱光放つ