見えない音
飯沼ふるい
コップに残る水の
ぬるさに 立ちのぼる気配
窓辺のほつれた糸が
風にふるえて 何かを問う
なにもない机のあしもと
捨てられた 言葉の裏がわに
わたしが置き忘れたものを
君が知らずに 踏んでいく
自由詩
見えない音
Copyright
飯沼ふるい
2025-06-03 16:13:26
縦