雨日和の昼寝
花野誉

仕事終わり

無性に

他人が作ってくれるものを飲み食べたくなる

帰り途には

コメの付く名の大店喫茶店がある

窓際に座り

あったかいカフェオレとサンドウィッチ

ゆっくり飲み食べながら夢想する︙

喉から溢れそうな欲と闘いつつ

結局 家に辿り着く

昨日の晩ごはんの残り

三切れのトンカツと

五枚切りの食パンをトースターに入れ

紅茶を淹れる

即席カツサンドでお腹を満たしたら

眠気に夢へと連れ去られる

あんなに毎夜願っても出てこない

東の華の神仙が

ジョン・レジェンドの曲と共に

私の傍に現れた

名残惜しい目覚めに

夢を結び繋ごうと目を瞑ったくらい

喫茶店に行かなくてよかった













自由詩 雨日和の昼寝 Copyright 花野誉 2025-06-03 15:09:09
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