生まれてきてしまったから
進羅


目を閉じた
耳を塞いだ
それでも
逃げられはしない

胎児のようにまるまって
外は怖いと泣きわめいて
信じてなんかいないのに
誰か助けてと
呪文のように繰り返す

どこにも行きたくない
ここにいたいわけじゃない
生きる術なんて
何も知らないけれど
生きたらつらい
それだけは知っている

私に言葉を教えてよ
誰も傷付けず済むように
私に夢を教えてよ
手を伸ばし希望を掴めるように
私に愛を教えてよ
世界の全てを愛しく想えるように


自由詩 生まれてきてしまったから Copyright 進羅 2025-06-02 23:56:39
notebook Home