鴨川
栗栖真理亜

体がほんわかあったかい
体をさする風も柔らかく長く伸び生えた草を靡かせる
泥川の表面も袈裟のように皺を寄せては白く輝き
身を乗り出し目を凝らさない限りさも美しき川にみえる
小さき鳥らしき影は足早に低空飛行して横切り
着陸しては水辺でちょこちょこ歩きながら遊ぶ
白や黄色の蝶は気にも止めずに優雅にヒラヒラと
まるでリボンのように草花のあいだを舞い踊る
優しく過ぎていくいまをこころで味わいながらベンチに座り
たまに足を突っぱねるようにして伸ばしながら
鴨川の情景を「私」はスケッチする


自由詩 鴨川 Copyright 栗栖真理亜 2025-05-29 20:20:49
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