戦争と壊れたあたま雨の春
喫茶大島

戦争と壊れたあたま雨の春

戦争のニュース今日の夕食は

登下校子ら咲かす終末の花

気鬱でも暴力的なほどの初夏

四十過ぎ狂わずにさらば美少女よ

朝顔と無残のわたし雨洗え

どこかしら季節のやさしい嘘思う



腕のキズ宇宙飛行士になりたいと

恋人をもとめる老婆のそばで寝る



雨の墓碑更新のない詩集よむ

中年は実家で花の名も知らず



我落多の朝デイケアと詩のノート



雨のしゅら夕の残りのカツを食べ



転生をする歳もすぎ草むしり



母殺し母はだが詩人ではない

書くこともなく梅雨寒と母はいう



母わたし奇妙に置かれた家具の中



蝿生まる季節蝿の子を見つける



目に青葉TVの戦争やめた縊死



草取りの跡くつろぐ猫はなし

五月晴句は止まる世界は在る


俳句 戦争と壊れたあたま雨の春 Copyright 喫茶大島 2025-05-28 09:24:25
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