戦争と壊れたあたま雨の春
喫茶大島
戦争と壊れたあたま雨の春
戦争のニュース今日の夕食は
登下校子ら咲かす終末の花
気鬱でも暴力的なほどの初夏
四十過ぎ狂わずにさらば美少女よ
朝顔と無残のわたし雨洗え
どこかしら季節のやさしい嘘思う
腕のキズ宇宙飛行士になりたいと
恋人をもとめる老婆のそばで寝る
雨の墓碑更新のない詩集よむ
中年は実家で花の名も知らず
我落多の朝デイケアと詩のノート
雨のしゅら夕の残りのカツを食べ
転生をする歳もすぎ草むしり
母殺し母はだが詩人ではない
書くこともなく梅雨寒と母はいう
母わたし奇妙に置かれた家具の中
蝿生まる季節蝿の子を見つける
目に青葉TVの戦争やめた縊死
草取りの跡くつろぐ猫はなし
五月晴句は止まる世界は在る