淫靡
栗栖真理亜
夢のなかで若返ったもう一人の私がピンクがかったファンシーなベッドの上で
可愛らしい動物柄のクッションにしなだれかかりながら
異様に細長い脚をこちらに向けていた
淫靡な瞳で見つめ
不敵な笑みで股を広げて
股の間のピンと張られた布の三角形に巧みに誘導しようと
カノジョは甘い声で私に囁きかけるけれど
私はそんな異様な強引さに思わずしどろもどろ
痺れを切らしたカノジョが私の腕を引っ張ってみたり
「はやくはやくぅ〜」と今より増して口で急かしてみたりする
仕方なく恐る恐る足の指裏で股を探ってみると
擽ったそうにカノジョは笑い転げていた
まるで女のコ同士でイケナイコトをしているような不道徳な時間
けれどワルイ気はナゼかしない
「あ〜あ、キモチ良すぎて思わずイッちゃった」
ペロリと赤い舌で唇を舐めながら微笑むカノジョのトンデモない言葉も
まるで初めから予想していたような不思議な感覚
朝の日差しで目覚めてからも
私は自分に良く似た小悪魔に魂を売り渡してしまったようなそんな気不味さに
しばらく胸を高鳴らせた