あちら側
夏井椋也
お花畑が好きな
あなたに出会うまでは
あちら側なんて
存在しないと思っていた
お花畑が好きな
あなたに出会ってからは
あちら側を
薄っすら信じるのも悪くないと思っている
昇り続けるだけのエレベータが
やがて辿り着く最上階
扉のあちら側が
お花畑なのか
真っ暗闇なのか
背骨の端っこでひっそり考えながら
各階止まりの日々を
あなたと一緒に面白がる
たぶんそんな感じが
こちら側の暮らし方なのだろうと
最近ようやく気がついた
自由詩
あちら側
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夏井椋也
2025-05-24 13:41:26