ダラガーヤ
リつ
鈍い太陽が
虚ろに光っている
もう夕方が近かった
私は太陽が欲しいとも
月が欲しいとも
言ったことがない
半ば濃い暗闇の中
目が慣れるまで
じっとしているのが好きだった
その夜は
風邪気味なので
さゆをのんだせいか
薄暗がりの部屋で
ふと
羊水に浮かぶ赤ちゃんを思った
孕まなかった私の子供
その子が産まれていたら
子猫みたいに愛くるしい瞳をくるくるさせながら、
「あたち、おちゅきちゃまがほしいの」
と指差しただろうか?
「取ってぇ、取ってぇ」
と泣いただろうか?
私は思い出の娘に微笑みかけた
また今度ね。
おやすみ、ダラガーヤ