Kim Wilde : You Keep Me Hangin' On
https://youtu.be/xJZF-skCY-M?si=J21QKEQ6_Efk7SjL
このデジタルな時代に……わたしは、一応この曲のリンクを貼っておくのだけれど、多分これは公式のファイルではないし、例えそうであってもいずれは消えてしまう……そう思うと、なんだか「リンクなんてないほうがいいのです」ということ以上に、今どきの無常とか、そういうものをやはり感じてしまう。
つまり、著作権とかそういうものはどうでもよくて、違法コンテンツの利用を推進するわけでもない……
ただ、本来日本の法律のもとでは、「それら」は「引用」のはずだし、「批評のための引用」のはずだけれど? などと。ええまあ、こういう声は当然少数派なんだろう。口惜しければ、スポティファイのようなサービスを自前で構築すれば良い……とは、思うのだが。
キム・ワイルドの「ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン」に文学へのつながりは……
これは、これも、多分ないだろう。どうだか分からないけれど。ただ、これも本来のつながりというもの、言い換えれば因果というものについて、「因果」というのは、これも元々はその語源は仏教用語の「因果応報」であって、前世(あらゆる「以前の生」を含む)の「行い」に起因する、「結果」としての「今の人生」への働きを言うわけなのだが……やれやれだわ。なんだか、「本来」ばかり言っている。
アニメやSFなら、まだしもガジェットとして楽しめるけれど、「前世であなたは罪を起こしたのですよ?」などと言われても、運命の神を殴りたくなるだけだし、要するに「因果」なんて英語の「fate」でいいんだ。単純に……
この曲を聴いていた、はるか昔の少女時代(ではない)のころ、わたしはH川にかかる橋を自転車で渡って……
街には、たしかもうタワー・レコードもあったし、HMVはなかったと思うけれど、中古のレコード屋なんかもあって、そのころ流行っていた歌手にはシーラ・Eとかもいたかもしれないのだが、あとは、マドンナとかU2とか、スザンヌ・ヴェガとか……。
キム・ワイルドも流行っていないことはなかった。しかし、本国のイギリスほどには、アメリカでも日本でも知られていなかったはず。そもそもこの「You Keep Me Hangin' On」という曲自体が、シュープリームスかな? のカバーなのだし。
と、なんとなく分かってはいたのだけれど、音楽に関するエッセイを書こうとすると、文面がどうしてもカタカナとアルファベットだらけになるんだね……まあ、いいわ。これは反省材料にして、次回はカタカナとアルファベットを出来るだけ廃した文章にしよう。なんて……。
こんな朝には──この文章を書き始めている今は、朝。未明。──コーヒーでも飲めばいいし、コーヒーがなければコーヒー・キャンディーでも食べればいいし、今どきはどこにでも(大変な田舎でも)コンビニなんてあるのだし、せっかくだからペットボトルのコーヒーでも買いに行けば良いのだけれど、まあ、もしそれがなかったとしても、音楽を聴けば記憶が回り出したり。
音楽万能論を展開するわけではないのだけれどね?
ただ、ドトールやスターバックスはなかったな、そのころ……。
だから、音楽を聴くなら、ラジオかテレビかレコード・ショップだった。──レコード・ショップ、懐かしくない? ……その後、わたしはゲーム・センターでジューク・ボックスを聴くという必殺技を生み出したんだけれど。
まあ、レコード店(今なら、CD店での視聴は定番。CD店なんてない? でも、家飲みが主流になっても、居酒屋はなくならないでしょ? CD屋は、居場所がない人間のためにある。CDを買うために、じゃない。
「You Keep Me Hangin' On」……あの時代の、女性を歌った歌って、ボニー・タイラーの「Holding Out for a Hero」やシンディー・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」などもそうなのだけれど、映画のように起承転結を持った映像美で自立を追求するものが多かった……明るい曲にしろ、暗い曲にしろ。
それで、この「You Keep Me Hangin' On」がどういう曲かと言えば(やっと?)、「あなたはわたしを利用しているだけなのだから、わたしの人生から出て行ってくれない?」──という内容である。
そういうセンスとカウンターと自己主張が今の時代にはまた必要になってきているよね? わたし自身は後押しもしないし、革命的精神を賛美もしないのだけれど。そして、ただ、人が、つくのは、その行いがやはりカウンターだから。そう、それが文学の(芸術の)「自己責任」。
芸術の戦いというのは、「Holding Out for a Hero」のように綺麗なものではなくて、いつも「You Keep Me Hangin' On」のように醜く、それでいて、闇の中の光か何かのように、いつも<仕方なく美しいもの>なのかもしれない……