幻想組曲
死に巫女
「静謐の海」
漁師は、海から海へ渡った
女は、港と湊で眠った……
旅人は、街々をさ迷って商いした
時計が、泣く
時計の歌が、聴こえる……
女が謡って、いる
老師が、材木で子どもを打擲(う)った
旅人は、花街で殺されかけた
女は、解っていた……
漁師が、もっとも幸福だった
順風とともに、大量の魚を釣った
滅びる街の光景を、遠くに見た……
無い、ような希望があった昼……
女は、抱かれずとも眠れた
旅人の、頭上を行くはいく日?
彼氏と、廓(くるわ)のおんな時計……
旅人と漁師の、結婚(男女だったか)
海が、老師を呑み込むのだ!
「おかしをくれる人」
あたしのようちえん!
ゆうえんちみたい
きょうもごごからあそぶ!
だからおひるまでおひるね
!(びつくりまーく)ばつかりか
かいだんいっこずつぜんぶ
かみさまがやってきたらさ
そのあしのうらにささっていたいいたい
あたしやったあってわらうんだ
おかあさんそろそろかえってくるもん!
「おせろー」
パタンパタンて、
ひっくり返して、ほら、
白、くろ、くろ、白
パタンパタンて、
ひっくり返して、ほら、
くろ、くろ、白、白、くろ
パタンパタンて、
ひっくり返して、ほら、
白、白、くろ、白、クマ? あれ?
……そのとき、
床が、ばあんってなって飛び出して、「イアーゴー、許さんか!」だっけ
それとも、くろ、白、くろ、くろ…まだ言ってる、
きしょい、せこい、けしょうこい、デズデモーナー……
おれが、オセローだ!