ぶつぶつ。
田中宏輔


わたしはサイくんのおしり
おしりにできたぶつぶつのおできです。

でもサイくんは、どんなにかゆくっても
てでかくことはできません。
(だって、てがとってもみじかいんだもーん)
あしでかくこともできません。
(だって、あしもとってもみじかいんだもーん)

だからサイくんは
テーブルのでっぱりでおしりをかこうとします。
かこうとしてそのテーブルのでっぱりに
とてつもなくおおきなそのおしりをくっつけて
ぐりぐりぐりぐりとこすりつけます。

わたしはサイくんのおしり
おしりにできたぶつぶつのおできです。

でもサイくんは、どんなにかゆくっても
おしりをかくことはできません。
(だって、へこんだところにいるんですものー、わたし)
それでもサイくんはおしりをふりふりふりふり
テーブルのでっぱりにぐりぐりぐりぐりしまーす。

あっ、ダンナさんがかえってきました。
サイくんのおしりがテーブルからはなれました。
じひびきたててはしりよるサイくん。
ほへほへほへーとへたりこむダンナさん。

かいて、かいてといいつけるサイくん。
ふにふにふにーとかかされるダンナさん。

わたしはサイくんのおしり
おしりにできたぶつぶつのおできです。

わたしはこんなサイくんがだいすきでーす。
わたしはこんなダンナさんがだいすきでーす。

ほほほほほほほ、ほっ。












自由詩 ぶつぶつ。 Copyright 田中宏輔 2025-04-29 11:05:30
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